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森田童子を悼む

実は私は森田童子が好きで、内緒の話ですがアルバムは全部買いました。
これも内緒の話ですが、コンサートにも行きました。

彼女はけっこう大柄で、コンサートが始まるとき、その勇姿がドライアイスが立ちこめているなかから現れてきたものでした。
カーリーヘアのシルエットが見えたとき、
おお! レッド・ツェッペリンのロバート・プラントか!
出だし、「ロックンロール」が始まるんじゃないか!
などと錯覚したものでした。

彼女のMCは、それはそれはただただ暗いもので、誰もが救われないような内容の話を淡々とし続け、しかもオチもなにもないまま次の曲へと行くような塩梅でした。

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森田童子の世界には、全共闘世代の蹉跌のやるせなさと、大正ロマンのノスタルジーの合わさったものをつとに感じました。
当時持て囃されていた丸尾末広さんの漫画にも、通底するものがありました。

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当時、私の仲間と論争になったのが、「森田童子は美人か否か」という、アホなものでした。
私はもちろん、美人派でした・・

あの頃、深夜の街をドライブするとき、森田童子のカセットをかけると、妙なボルテージが上がる感じでした。
暗いけれど、沈殿はせず、結晶となって昇華するイメージだったのです。

実はこの私の、持って生まれ、つちかった暗い性格、これはどんな名医も治せません!!
森田童子の歌と、たいへんにシンクロします。
森田童子、最高!!

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「高校教師」で主題歌となった「ぼくたちの失敗」が、それまでの全部のアルバムの総売上を何倍も何倍も凌ぐような数字をたたき出した(と思われる)とき、私のなかでは、割と冷めた心情がありました。
いまごろは、森田ちゃんは大笑いかな・・
でも、そんなことはどうでもよろしい。

森田童子は、自身でも言っているように、まさに「滅びの美学」を体現した、希有なる芸術家であることに、間違いはないのです。
合掌。

by ryu-s1959 | 2018-06-13 20:37 | 随感


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