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操法についてⅧ 肋骨そのⅡ

肋骨は、一般に思われているよりも、多くの影響をからだに及ぼしているのではないか、というのがこの章のテーマです。
これまでの常識とは相容れないかもしれない、しかし厳然として背面(背中側)の歪みやコリなどは、ほとんどが前面(肋骨側)が制御しています。
つまり、前をほどかなければ、後はほどけないということ。

後(背中側)が凝って重いと、それが肩胛骨や層帽筋に圧迫をかけ、首や肩にコリを起こします。
ところがその前に、前(肋骨側)のこわばりがあって、こちらが後のコリの原因となっているのですネ。
順番から言えば、前の方が先でしょう。
ところが前は、こわばってきてもさほどの違和感は感じません。
せいぜい、呼吸が浅くなるくらい。しかも、徐々にですから、自覚的にはあまり感じられにくいのです。
一方背中が硬くなりますと、肩や首が重くなりますから、こちらの方が深刻な症状となりがちです。

ですから、首や肩を揉んでほぐそうとするのが人情というものでしょう。
ところが残念ながら、いくら揉んでもほぐしても押しても引いても、バキバキやってもすぐに戻ってしまう・・
それは当たり前なんです、だって原因となっている前面はなにも変わってないのですから。

逆に、背中側はなにもさわらなくても、肋骨や鎖骨を調整し、詰まりや硬結をほどきますと、それだけで背中の硬いのはとれてゆきます。
背中の違和や硬結やコリ、これは患部をいじるよりは、肋骨のなかの滞りを探した方が早いです。
経験的に言いますと、圧倒的に左側の肋骨がこわばっています。
ただし、胸のしこりに関しては左や右の傾向というのはありません。
これが何故なのかは、今後の課題です。

ところで肋骨の面積や体積は広いですよネ。
その影響の及ぶ範囲は、意外に多いというのが、私の実感です。

もしも肋骨がこわばっていると・・、
中にある臓器、心臓や肺に圧迫をかけましょう。
また、肝臓や胃、また膵臓も傘下にあります。
胃のポリープの方も診ましたが、肋骨のこわばりの影響がありました。

要は、胃は胃だけのモンダイではなく、肝臓は肝臓だけのモンダイでもなく、そこに圧迫が及ぶバランスがあって、そのバランスそのものこそを整えなければならないわけです。
たとえば胃袋って、モノを食べますと膨らみますよネ。
そして膨らんでから、消化するために動きます。
ところが、肋骨がこわばっていますと、それを抑えてしまう作用がはたらきます。
そのようにして胃に圧力がかかり続けますと、消化活動も妨げられますし、もしかしたらポリープだってできましょう。
これは、胃に限りません。

さらに、腎臓を考えてみますと、これは背面の、肋骨の下端あたりにあります。
肋骨の影響を受けない道理はないと思うのです。

先にも述べましたが、肋骨が詰まりますとしこりにもなります。
肋骨をほどいていて、結果胸のしこりを発見し、それもほどくようになることもまれではありません。

畢竟、内臓の病気を患っている方というのは、呼吸が浅いのではないでしょうか。
つまり、肋骨によって(生殖器以外の)臓器の病気は制御されているといっても、あるいは過言ではないかもしれません。

もっとさらに詳しく述べますとキリがありませんが・・、
*どうしても取れない頭痛、
*めまいやメニエール病、
*肩こり、首コリ、
*浅い呼吸、
*消化器の病、
*腎臓など泌尿器系の病気、
*ぜんそく、気管支炎、タンがからむ、甲状腺異常・・

などなどがあります。
ただし、これは肋骨からの直接的な影響の範囲であって、間接的な範囲となりますと、およそ全身に及びます。
全身は、つながっています。

恥骨や尾骨という、正中線にあるべき骨がきちんとそこに、こわばりなくおさまっていること。
恥骨や尾骨は連動して歪むことが多いですので、双方間違いなく診ることが大切です。
これがからだの礎ですので、ここが狂ったままどれだけ上半身をいじっても、効果は出にくいのです。
by ryu-s1959 | 2006-10-05 11:32 | 操法について


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